デイヴィッド・C・アサートン
東アジア言語・文明学部助教授
日本文学・文化を専門とし、主に近世文学・演劇を研究。特に文学・演劇がアイデンティティ・コミュニティー・感情・倫理観の形成に及ぼした影響を研究課題としている。現在執筆中の Writing Violence in an Age of Peace: Breaking Bodies and Provoking Passions in Early Modern Japanese Literature では、「太平の世」と呼ばれた江戸時代の文学にみる、拷問・敵討ち・殺人などといった「暴力」の表象のもつ社会的・感情的・政治的作用を考察する。また、大規模な出版市場が出現し書籍・読者が急増した近世日本において文学の創作という活動がどのように想像されていたのかという問いに関する研究にも着手している。その他、浮世草子にみる経済と文学の関係性、文学における「盗賊」像、近世の漂流記などに関するプロジェクトも進めている。最新の著作論文では、井原西鶴の矢数俳諧、17世紀の小説にみる侍像、近世災害文学、敵討ち文学にみる「家」の道徳観に注目。また、タイ(シャム)の古典文学における森の表象についても論じている。
2000年ハーバード大学で学士(東アジア学)を取得後、2006年にウィスコンシン大学マディソン校で修士号(タイ古典文学)を取得。2013年コロンビア大学で博士号(日本文学)を取得。コロラド大学ボールダー校にて4年間教鞭をとった後、現職に就任。